永井社長の発言要旨
一 はじめに
老いの冒険(曽野綾子)男の終い支度(安藤昇)
マハトマ・ガンジー等の言を引用して人間の最高の生き方
は結果はどうにせよ、何もしなければ何の結果も出ない、
重要なのは行為そのものであり結果ではないことを説明しました。
二 終活について
エンディングノートの話の前段として終活とは
命にタイムリミットがあることを前提に、
誰にでも来る終焉を受け入れて人任せにしないで、
自分らしく生き生きと暮らす為の活動、
終い支度の意味でなく残りの人生をより楽しく
生きる為に行う人生の再起動、残していく人達への愛情表現
であるとしてお互い自分だけのことでなく家族のことも
考えようということを説明しました。
三 エンディングノートの意義
物の生前整理があるようにエンディングノートは
心の生前整理であり、これまでの人生を振り返る作業、
自分自身人生の集大成、心の棚卸しであると
資料や関連本を参照しながら説明しました。
四 エンディングノートが何故必要か、いつ書けばいいのか
日本では民法改正により家族主義が薄らぎ三世代同居がなくなった。
ちゃぶ台を囲んで食事や会話がなくなり一人一人勝手気儘に
過ごす風潮が強くなり、自分が思っているほど
家族はお互いのことを知らない。
家族内の情報共有の場が失われ、
更に日本社会は
「人の縁(親縁、地縁、私縁が希薄となり生~病院
老~施設 病~病院 死~病院と全てが自宅のくらしから遠ざかった。」
さてエンディングノートをいつ書くかについて
自分が死ぬ日を知っている人はいない。
健康で心に余裕がある時に、命の儚さからいっても
少しでも早く「今でしょう」と
言わざるをえない…とまとめました。
五 書く項目について
①自分史・家系~学歴職歴結婚
出産等と家系は様々な親族縁者に話を聞く。
② 医療・介護~延命治療は望まない…等、
誰にどこでどんな介護をしてもらいたいか
書いてあれば遺族も参考となる。
③ 儀・財産~死していくものは残していく
家族に迷惑をかけたくないと思うのが常であるが、
故人が元気な時に、最低この位のことは
ノートに記しておいた方がいいのではないか
葬儀の宗派、費用、連絡する人、喪主は、
財産については、 土地、株、預貯金、借金、
クレジットカード、貴金属、遺品の取扱い、残し方、託し方など
④ 養・メッセージ
墓は、お骨はどうするか、配偶者や子供には
何を伝えておきたいか。緊急時に伝えたい人は、
年金、生命保険、認知症になった時の措置など
以上手元にノートを置いて
とにかく何でもいいから書く、
そしてそれを家族会議のネタ帳にする。
六 エンディングノートと遺言
書の違い
エ→自由に書ける、書き直せる
生前から共有できる。法律で守
られない。
遺→書き方に制約がある。やり
直しに制約がある。開封に制限
がある。法律で守られる。等違
いはあるが、エンディングノート
は家の分かり易い場所に置い
ておき、普段から内容を家族に
伝えておく。
七 家族葬と一月三〇日放映の
NHK特報首都圏について
① 族葬を終えた後で「もっとしっかりとお葬式をしてあげれば
よかったと悔やむ人が結構いる。また友人知人からも
「もっと広く知らせてもらいたかった」
「こんな簡素な葬儀では故人が可哀想だ」との声が多い。
② HKの特報首都圏
日本の単身高齢者は六〇〇万人いる。
これらの人の中には孤独死でなく
「ひとり死」を望む人が出てきている。
ひとり死とは生前に色々なことを決めてから死ぬ。
人間としての尊厳をきちんと備えていれば
一人で死んでも大丈夫と考える人が出てきている。
遺言を作る教育、欧米では自宅で死ぬのは当り前。
日本のある地域では終活ノートを書くのは当り前。
一人でエンディングノートを書くのがいやな人や
淋しい人は、同じような境遇の人が数人集って、
皆でワイワイ言いながら書いている等、放送内容を紹介した。
続きます。